若手駐在員仕事・生活のリアル 長瀬汐里さん (Canon Canada Inc.)

2026年6月25日

長瀬汐里さん
Canon Canada Inc. 新規事業開発、シニアスペシャリスト

cherry blossom

過去の海外赴任歴: 2年半
現在の担当業務:カメラやプリンターで知られる当社において、私は既存事業にとらわれない新規事業領域を担当しています。宇宙や農業、リサイクル、XR、AIなど様々な分野での新規商材を扱い、カナダ市場での事業展開を担っています。

<駐在して一番驚いたことは何ですか?>
私は幼少期を過ごしたミシサガに、10年ぶりに自身の選択で戻ってきました。懐かしさを感じるはずが、まず目に入ったのは、まるで別の街のような景色でした。スクエアワン周辺にはコンドが立ち並び、かつて広く感じていた空も狭くなったように感じます。さらに治安面でも変化を実感し、渡航初年には盗難や詐欺の被害を経験しました。最近では自動車盗への不安を感じる場面もあり、かつての記憶とのギャップに驚かされるスタートとなりました。

<現在の仕事で苦労していること/工夫していることは?>
新規事業は面白さと不確実さが表裏一体で、数か月取り組んだプロジェクトが突然中止となり、悔しさを感じる場面も少なくありません。それでも複数案件が並行して進むため、気持ちを切り替えながら前進することを意識しています。各分野で異なる専門用語や英語での議論に苦戦することもありますが、事前に関連知識を学び、イベントでは自ら話しかけて関係構築や提案につなげるなど、実践を通じて対応力を高めています。

<仕事の進め方で「日本と違う」と感じた点は?>
カナダで働いてまず感じたのは、「仕事と私生活の切り替えの明確さ」です。17時を過ぎると多くの方が自然に仕事を切り上げ、帰宅します。日本では寝る時間以外は会社にいた私自身も、カナダでは仕事前にジムに通い、業務後はテニスやピックルボールを楽しむ生活を送っています。一方で、クライアントとの距離は近く、上司は業務時間外にも気軽に連絡を取り合うなど、仕事の延長線上で関係性を築いていくスタイルに、文化の違いを感じています。

<最近うれしかったこと・達成感を感じた瞬間は?>
先日、2回目のハーフマラソンに出場しました。正直なところ今回は厳しいかもしれないと思っていましたが、かなり良い走り出しができ、気がつけば目標だった100分切り、1時間39分39秒でゴールしていました。期待していなかった分、ゴールした瞬間の達成感は格別でした。この達成感には不思議な中毒性があり、気がつけば次の目標を立ててしまいます。現在は、オタワで開催されるHYROXという大会に向けてトレーニングを再開しています。

<現地での楽しみ/休日の過ごし方/やってみたいことを教えてください>
多様な文化が混ざり合う特殊な環境の中で、日常そのものが新しい発見の連続です。中でも一番の楽しみは、食べ物での交流です。軽い気持ちで配った手作りのお菓子が、思いがけずインドカレーや冬瓜との交換につながりました。それをきっかけに日本の文化ももっと共有したいと思うようになり、今では週末に自宅で「居酒屋」を開き、日本食を振る舞うことや、逆にインドカレーの作り方を教えてもらうなどの文化のやり取りが、カナダでの大きな楽しみです。

<これから駐在する人へのアドバイスはありますか?>
カナダに来た当初は、一人の寂しさから何かに所属しようと思い、Class Passでヨガやクロスフィットなどのクラスを体験する中で出会ったジムがF45でした。滝汗をかきながら追い込まれるスタイルが自分に合い通うようになり、気がつけば顔見知りが増え、今では休日を共に過ごす仲間もできました。大人になってからの友達作りは簡単ではないですが、コミュニティに入り一緒に何かをする関係ができることで生活がより豊かになると感じています。

<あなたにとって「海外駐在の魅力」とは?>
海外での生活は決して楽なものではありませんが、それ以上に自身の成長を実感できる機会だと感じています。以前は想像もしていなかった環境の中で、気がつけば英語で仕事をし、現地の人々と自然に関わる日常を送れています。不安だらけだった生活が、今では当たり前のようにできていること、その積み重ねが自信につながっている。この変化を実感できることこそが、海外で働く最大の魅力だと思います。